お知らせ

2026.09.07

一枚のクッキーに込めた想い ― かすたねっとの焼き菓子ができるまで

袋を開けると、ふわりとバターの香りが立ちのぼる。一枚手に取って口に運べば、変に主張することのない、まっすぐな甘さが広がっていく。かすたねっとのクッキーは、そんな「ごくふつう」のおいしさをずっと守り続けています。

東京・練馬から、40年

かすたねっとが東京・練馬に店を構えたのは1986年のこと。それから約40年、わたしたちはずっと手づくりでケーキとクッキーを焼いてきました。派手さはなくても、こころにまで届くようなおいしさを、いつも追い求めてきたのです。

店名の由来にもなった「カスタネット」は、わたしたちが子供だった時、はじめて手にする楽器のひとつではないでしょうか。
手のひらにのせてたたけば、タンタタ、タンタン。小さな楽器から生まれる、誰にでも親しまれるやさしい響き。わたしたちのお菓子も、そんなふうにこころを通わせる存在でありたいと願っています。

クッキーを焼いているのは、誰か

かすたねっとのもうひとつの顔は、「みんながいきいきと、じぶんらしく働くことのできる場所」であるということです。店では、知的ハンディキャップをもつ菓子職人たちが、スタッフとともにクッキーを焼いています。

教育心理学者の伊藤隆二先生は、「幸福な人は深く他者を、そして他者のつくったものを、また、自然を愛している。そしてよく働いている」と述べました。わたしたちが目指しているのは、まさにこの言葉の通りの場所です。焼き菓子をつくるよろこびを、職人もスタッフも、いつも感じられるように。一枚のクッキーには、そんな働くよろこびもいっしょに焼き込まれています。

シンプルな材料でつくる、という選択

「なるべくシンプルに、いい材料でつくること」――これがかすたねっとの基本姿勢です。できるかぎり新鮮でおいしい素材をそろえ、添加物は使いません。

近道をしようと思えば、いくらでもできます。けれど、ごまかしのきかないシンプルな配合だからこそ、素材そのものの味がまっすぐに伝わる。かすたねっとのクッキーがどこか懐かしく、ほっとする味わいなのは、この愚直なまでのシンプルさゆえなのかもしれません。

パウンドケーキ、アップルパイ、レモンケーキ、カヌレ。かすたねっとの焼き菓子はどれも、こうした「ふつうのおいしさ」を大切に、ひとつひとつ手で焼き上げています。クッキーも同じように、飾らない、けれど確かなおいしさを目指してつくられています。

次の40年へ

40年ご愛顧いただいてきたこの味を、これからも変えるつもりはありません。色褪せることのない、普遍的なおいしさを、次の40年もお届けしていきたい。それが、かすたねっとの変わらない願いです。

一枚のクッキーを手に取るとき、そこに焼き込まれた職人の手仕事と、シンプルな素材への信頼、そして働くよろこびに、少しでも思いを馳せていただけたら――わたしたちにとって、これほど嬉しいことはありません。